情報システム部門に必要な人材とは?
ユーザー企業の情報システム部門に必要なIT人材と一口に言っても、担当する役割で必要となる知識が異なります。
本当にユーザー企業の社員として必要となるIT人材を獲得・育成するために、社内に残すべき業務(知識)と、適切にアウトソーシングして良い業務について、基本的な考え方・視点をまとめていきます。
※この記事は10分程度で読める分量です。
1.ユーザー企業にIT人材が必要な理由
ユーザー企業にあっても、社員に情報機器(パソコン、スマートフォンなど)を貸与し、社内にネットワークを構築し、社内システムを保有している場合、それらを管理したり、維持メンテナンスしたりする必要があります。
また、自社にシステムを新たに導入したり、既存システムの機能を更改したりする際に、業務部門への要望をシステム開発者に伝えたり、逆にシステム開発者から業務部門への質問や確認を行う際の調整役が必要となります。
それらの役割は社内の「情シス担当者」が担うことが多く、事業部門にとっては「縁の下の力持ち」だったり、「ご用聞き」だったり、「なんでも屋さん」と感じている人もいるかも知れません。ユーザー企業の「情シス担当者=IT人材」は、主に以下の4つの役割を担うことが期待されています。
- システム開発要員
- 運用・保守要員
- プロジェクトマネージャ
- 自社システムの専門家
上記以外にも、昨今は経営課題の解決策としてITを活用し、製造、物流、販売などの分野で高度な自動化やデジタル化を進めなければ市場競争に負けてしまうため、その推進にあたってはユーザー企業自身がシステム化における企画部分を主導することが望ましいとされています。そのため、以下のようなIT人材の確保がより重要となっています。
- システム企画担当者
※「情シス」についての詳細は<情シスの役割と組織形態>を参照。
2.ユーザー企業のIT人材を取り巻く変化
IPA人材白書によると、ユーザー企業のIT人材を取り巻く変化のポイントとして以下があげられています。
- IT人材の”質”の不足感
- IT業務の内製化
- IT業務量の見通し
- 必要とされる人材の変化
IPA 人材白書2020(概要版)より抜粋 <https://www.ipa.go.jp/files/000085256.pdf>
- IT人材の“量”に対する過不足感について
- IT人材の“質”に対する過不足感
- 社内にITのスキルを蓄積・強化するための上流工程の内製化
- IT人材の獲得・確保とDXの取り組み
ユーザー企業でDXに取り組んでいる企業は、「中途採用」、「新卒採用」、「他部門からの異動」を行っている割合が高い。
3.ユーザー企業はどのようなIT人材を社内に確保すべきか?
ユーザー企業がIT人材を社内に確保すべきかどうか?について、役割ごとにポイントをまとめました。
- システム開発要員
- 運用・保守要員に関するポイント
- プロジェクトマネージャーに関するポイント
- 自社システムの専門家に関するポイント
- システム企画担当に関するポイント
ユーザ企業が、DXやデジタル化を進めていくためには、自社の事業を理解した上でITを事業に適応させる能力が求められます。そのため、今まで以上に事業領域の知識をもつ事業部門と情報システム部門との連携が必要となってきます。システム企画を実施する際には、業務を良く知る社内人材が業務知見をカバーし、現状のシステムを把握している自社システムの専門家がシステム面での知見をカバーする必要があります。
さらに、システム企画を社員が担当することは、IT人材の“質”の不足を課題解消するポイントとなります。システム企画の経験を積んだ人材が、社内IT業務全般の内製化推進のエンジンとなることが期待できるからです。
4.経営層に必要な視点
そのため、経営層の立場で会社のビジネスとITの全体像を把握し、ITの戦略や方針を立てられるCIOのような人材の重要性が高まっています。
執筆者:T.I