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「DXするぞ!」の前に

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「DXするぞ!」の前に

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が広まっておおよそ5年、DXに取り組んでいる企業もあれば、まだこれからという企業も多いと思います。
日本では経済産業省の「DXレポート」を皮切りにデジタル戦略の重要性が認知され、「2025年の崖」を前に様々な業界で先進的な試みが行われています。やはり大手企業の取組が目につく機会が多いと思いますが、だからといって決して他人事ではないはずです。

そこで、DXが中々進まない・始められないという方に、「DXするぞ!」の前に「DXの準備をするぞ!」という話をつらつらと書いていこうと思います。

1、DXしてる?してない?


まず、「DX」という用語について経済産業省の定義を引用すると以下の通り。

デジタルトランスフォーメーション。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

※経済産業省 「デジタルガバナンス・コード2.0」より
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html

意訳すると、「データとデジタル技術で競争上の優位性を確立する」というのがポイントとなります。
データやデジタル技術の活用はすでに多くの企業が取り組んでおり、インターネットの活用や電子化は今や当たり前になっています。
紙文化の廃止・パッケージ製品の導入等でデジタル技術を活用してるので、「DXしてる!」と思ってしまうかもしれません。

ところで、それって「競争上の優位性」を得るための施策となっているでしょうか。省力化や効率化といった言葉に置き換えれる施策になっていないでしょうか。
それは「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」と呼ばれる、DXのための身体づくりの段階の可能性があります。とても重要な施策ではありますが、まだDXしてません。


2、なぜDXしなくてはならないのか


昨今、世界では新たなデジタル企業が続々と登場しており、業界や社会全体に破壊的な変化(デジタルディスラプション)を起こすことがあります。
「破壊的な変化」とは、平たく言えば「既存のビジネスの在り方が覆される」というレベルの話であり、既存事業がそのままでは成り立たなくなる可能性があります。
以下にデジタルディスラプションの過去事例が掲載されています。

総務省 「令和3年度版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd112220.html

最近の「生成AI」ブームも、この破壊的変化を加速させていると考えられます。今は安定している事業でも、ハイレベルなデジタル企業が参入してくることで、一気に事業の存続自体が危うくなってしまうかもしれません。
変革を追求せず、現状維持することにコストをかけていても生き残ることが今後難しくなる、と国は警鐘を鳴らしています。

なので、「なぜDXしなくてはいけない?」と問われれば、率直に「生き残るため」というのが答えになると思います。


3、DXを始めるには

そこまで認識すると、「すぐにDXしなくては!」となります。 
とは言っても、「DXするぞ!」の号令で走り出せるものでもありません。10人11脚をゴールを決めずに雰囲気だけで各々走り出すくらい危険です。

経済産業省による産業界のDX推進施策の1つに「DX認定制度」というものがあります。

経済産業省 DX認定制度(情報処理の促進に関する法律第三十一条に基づく認定制度)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html

この制度では、「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX-Ready)」であることを国によって認定してもらえます。
つまり、「DXする準備はできた!」となるためには、この認定の審査基準を参考にすることができます。本認定基準の言葉を借りると、以下の取組を内外に発信できる状態であれば準備ができているとなります。

  • (1) 企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性の決定
  • (2) 企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な方策(戦略)の決定
  •  ①戦略を効果的に進めるための体制の提示
  •  ②最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策の提示
  • (3) 戦略の達成状況に係る指標の決定
  • (4) 実務執行総括責任者による効果的な戦略の推進等を図るために必要な情報発信
  • (5) 実務執行総括責任者が主導的な役割を果たすことによる、事業者が利用する情報処理システムにおける課題の把握
  • (6) サイバーセキュリティに関する対策の的確な策定及び実施

詳細は経済産業省が公開している「デジタルガバナンス・コード2.0」を参照していただきたいが、さっくりと意訳すると「経営戦略とデジタル戦略を矛盾なく定め、経営層がリードして企業一丸となって変革を推進できる体制づくりが重要である」という事になります。
※厳密にはもっと幅広く奥深いことが求められているが、ここでは割愛させていただく。

ただし、これはあくまで対外的に説明できる事項(指針、方策)に留まっています。本当に「DXする準備はできた!」と言うためには、当然ですがDXする対象(事業、業務)の現状把握も併せて進めていかなければなりません。

まとめ

DXは企業の生き残りをかけた取り組みであり、ほとんどの企業はDX推進に経営の力点をおかなくてはならない時代になりました。
「出遅れた!」と考えている方もいると思いますが、経済産業省を始め、多くのガイドや事例が公開されており、むしろ今から始めることの利点があるかもしれません。
一方で、実際にDXの準備をしていく上で具体的にどうすればいいか戸惑うところが出てくると思います。そんな、ガイドや事例に現れないようなところを次回以降に書いていきたいと思います。


執筆者
北海道DX事業部
寺江 慎佑

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